※鳥帽子

…ごめんなさい。つい最近読んだだけで“知ったか”です。１番であってるのかどうかもしりませんm(__)m

はい、パガニーニのヴァイオリン協奏曲第１番についての続きのお話です。

１回目した話に漏れたのですが、シューベルトが「パガニーニに天使の歌を聞いた」と感激したという話が残っているそうです。（これでようやくタイトルが浮かなくなりましたかねｗ）この感想を聞く限りシューベルトはパガニーニの演奏に超絶技巧以外のものによっても十分な満足を得たことが分かります。

また、リストをはじめ数多くの音楽家達がパガニーニの演奏を聴いたことから、この曲はそれだけの音楽性を持っているとも言いかえれると思います。もちろんパガニーニの独りよがり的な都合（自分だけを目立たせる演出など）が本人のいなくなった後も通用するわけはないですから、曲のあり方が変わることは自然だと思います。しかし、それだけにとどまらず、これらの曲が音楽的に軽視されていたようなのです。

簡単に言うと、どのＣＤ聞いたらいいか分からないってことです。簡単に言い過ぎたので説明すると、技術を示す以外の目的で演奏されているのだろうか？ということです。ＣＤを買おうとしたときにインターネット等で評価を調べると…なんていうか訳が分からなくなる…一度調べてみてください(^^;;

決定盤と言われるアッカルドのＣＤも聞いてみましたが、それについては後日書くとして、今回は２人の日本人ヴァイオリニストの演奏（ＣＤ）について書きたいと思います。

１人は、最初に出した五嶋龍の姉、言わずと知れた五嶋みどりです。
彼女が１５歳のときの録音である２枚目のＣＤは、パガニーニのこの曲です。完成度と音楽性（センス）は並外れです。しかしそれ以上の魅力がこのＣＤにはあります。表現によってタメたり前のめりになったりと当然するのですが、音にいやらしさがありません。また、鋭い演奏もをしてもとげとげしさはありません。
パガニーニ：ヴァイオリン協奏曲第１番／五嶋みどり

もう１人は、パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクール史上最年少（１６歳）、日本人初の優勝者の庄司紗矢香です。
彼女はパガニーニの協奏曲がデビューＣＤで１７歳のときの録音です。年齢の差や楽器の差もあるので２人を比較する気などは無いですが、庄司紗矢香の演奏はより安定した曲作りで、音は透明で吸い込まれそうですね。
パガニーニ：ヴァイオリン協奏曲第１番／庄司紗矢香

個人的に庄司紗矢香のファンなので（なんたって同い年）ひいきしていますが、どちらのＣＤも１０代の若さでしか出せない音、音楽だと思います。ウソーって思う人は思っててください。私は「その年齢でしか出せない音というのはある」と思っていますから。
しかし、この曲はやはりイタリアの音楽だということ…彼女はそれを教えてくれました。彼女の演奏を聞いているとオペラ歌手が大げさに演技をし嘆くフリをするのを連想する。わざととわかっているのに惹き込まれるような…２楽章に入ると完全に入り込んでしまって、「わざとじゃないの？本気だったの？」とまるで同調していくような錯覚を覚える。３楽章でふと我に返り…「え？今までの嘘？ホント？どっち？？」ってなっちゃうんですねーー。わかりませんか？？

さて、今回パガニーニのヴァイオリン協奏曲の話は２回目でそろそろ飽きましたが、NAXOSレーベルのＣＤにも良い録音があるらしいのです。

(2005/09/30)手に入りました
⇒ 関連記事：カーラー＆パガニーニ

P.S. 五嶋龍のＣＤ欲しい...